ぽちのページ


阪神大震災のあった年だったとおもいます。夜、自宅の玄関先で、子猫のなく声がするのです。声はするのですが、姿がみえません。それもそのはず、黒猫の子どもだったのです。それが、暗闇でみゃ〜みゃ〜とないているのです。捨てられたのです。しかも、おどろいたことに、子猫の両目が開いていません。目やにではなさそうです。翌日、妻が子猫を獣医さんのところへつれていき、治療してもらいました。やはり、目やにではなくて、接着剤でした。まぶたがくっつけられて、捨てられたのです。まったく、ひどいことをするものですね。というわけで、わが家で飼うことになりました。名前は、どういうわけか、「ぽち」です。小さいころの写真は、ありません。よく食べ、よく寝ます。親猫をほとんど知らないせいか、妻によく甘えます。眼光は鋭いのですが、気は小さいようです。

話はとんで、10年後の2004年12月になりますが、今年は台風が10個も日本に上陸し、豊岡では河川が洪水で氾濫したり、秋になっても蝶々がとんでいたり、桜の花が咲いたりと、おかしな気象がつづきました。地震も多発し、新潟県では大きな被害をもたらしました。12月の下旬が近づいて、ようやく「寒気」を感じることができるようになりました。…というわけで、寒がりの猫たちは、いちばん冷え込む朝方に、われさきに電気湯沸しポットの見張り番をかってでます。ポットの上に「のの」が乗って、番をしています。「ぽち」と「ひろ」は、食器洗い乾燥器の上で、暖をとっています。

なかよくしているようにみえますが、じつは、「マウンティング」にとりかかろうとしているところなのです。このあと、「ぽち」は「ひろ」の首筋に噛み付きます。ねこの世界では、上下関係はきびしいものがあります。昼寝をする場所も、自由に選べるわけではないようです。