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ペルチェ冷蔵庫に挑戦!

(現在進行中です。冷蔵庫の制御は、続編でおこないます。)


注意事項

冷蔵庫がこわれた!

 2002年9月、使用していた家庭用冷蔵庫が壊れました。以前から霜取り装置が不調で、冷凍室にある冷却装置がまるごと凍結してしまうことがよくあったのですが、どうやら氷のかたまりをとりはずすときに、フロンガスの通っている細くて薄い銅パイプに無理な力がかかって、そこにちいさな傷ができて、すこしずつフロンガスが漏出していたようです。

 こわれたからといって、なんでも捨てずに大事にとっておくのがたちなので、このさい、フロンガスではなくて、「環境にやさしい」、自然の冷媒をつかった冷蔵庫に改造・修理しようとおもいたち、ホームセンターにいって銅パイプや銅板、銀ろうやガストーチ、鉄鋸などを買ってきて、冷却装置の製作にとりかかったわけですが、素人考えではうまくいきません。水や炭酸ガス、はては焼酎までためして、ことごとく失敗しました。

 なにかいい方法はないものだろうかと、日本橋のジャンク屋をうろついて、ラジエータをみつけてきたりしたのですが、けっきょくうまくいきません。

 そんなとき、インターネットで「冷蔵庫」や「冷媒」、「クーラー」などの単語をキーワードに検索していると、「ペルチェ素子」というものをつかってパソコンのCPUを冷やし、クロックアップしている人たちがおおぜいいることをしったのです。そういえば、夏場のホームセンターで売っているアウトドア用品にもクーラーがあって、たしかそんな名前のもので冷却しているというような記憶があったので、これは冷蔵庫にも使えるのではないかと思い立ち、ペルチェ冷蔵庫に改造・修理する決意をしたわけです。

 さっそく日本橋のパソコンショップにいき、「ペルチェ素子」を買ってきました。「アイネックス」という会社が販売している、40×40×3.8mm、12V6Aのものです。12Vの電源とパソコンのCPUクーラー、デジタル温度計も買ってきました。

写真は、アイネックス社のペルチェ素子です。説明書の「本製品の性能」によると、最大電流Vmax=14.5V、最大電流Imax=6A、最大吸熱量Qmax=51.4W、最大温度差ΔTmax=67℃、40×40×3.8(mm)となっています。

冷却装置の製作にとりかかる

 CPUクーラーにペルチェ素子をシリコングリスでくっつけ、電気をながし、ペルチェ素子を指でさわってみると、「冷たい!」。そこで温度をはかってみると、0度にはほどとおい。発泡スチロールの板でペルチェ素子の吸熱側を覆ってやると、なんとか氷点下にはなる。室温は28度。インターネットのサイトには、冷却できる温度差はせいぜい10数度という記述もあり、「やはり無理かな」とあきらめかけていたが、「もう1枚、ペルチェ素子を重ねたらどうなるのか。ためしてみよう」とおもい、ふたたびペルチェ素子1枚を購入。

 ところが、ペルチェ素子2枚重ねでも、おもったように冷えてくれません。吸熱側に12V、放熱側に12Vの電気を供給していましたが、室温28度という条件であいかわらず0度前後がせいいっぱい。どうしたものかと、解決策を考えた結果、吸熱側より放熱側のペルチェ素子に流す電流を大きくし、ヒートシンク、放熱ファンも大きくすること、逆にいうと、放熱側より吸熱側のペルチェ素子に流す電流のほうを小さくし、ヒートシンク、吸熱用のファンも小さくするというアイデアにいきつきました。

 吸熱側のペルチェ素子は5Vで駆動し、吸熱ファンはDC12VのCPUクーラーのブラシレスモーターを使用し、それを5Vで駆動する。放熱側のペルチェ素子は12Vで駆動し、放熱ファンは12cmのACファンを使用する。これで冷凍室の冷却装置の試作にとりかかりました(冷凍室の冷却装置の図)。

 そして、ついに完成した冷却装置がこれです(なんだか、外観はロケットエンジンみたい? 電源を投入すると、12cmのファンがウィーン、ウィーン、ウィンウィンと唸り声をあげます)。

冷蔵庫に取り付ける

 完成した冷却装置を、冷蔵庫に取り付ける。これには、正直言って勇気がいりました。なにしろ、こわれたとはいえ、冷蔵庫に穴をあけるのである。冷蔵庫の背面の壁の中には放熱パイプが縦横に走っており、工作も容易ではない。が、ここは決断が必要とばかりに、思い切ってドリルで穴をあけ、背中にささる冷たい視線を気にしながら、鉄鋸やらやすりやらで穴をあけひろげました。

 そして、冷却装置を木ネジで固定しました。

 完成した冷凍室の内部です。

ペルチェ冷蔵庫、完成か?

 9月中旬から試験運転を開始しました。室温28℃で、冷凍室の温度は運転を開始して6時間たって20℃前後でした。氷点下にはなかなか下がってくれません。ほどとおいのです。そこで、冷凍室の断熱を見直しました。また、冷蔵庫が壊れて以来、冷凍室の筐体が温まっていて、それがなかなか冷えないのことも原因の1つであることがわかりました。それで、小学校の理科の実験で習った、氷と塩をつかってアイスキャンデーをつくる方法、つまり寒剤を使って冷凍室の予熱、じゃなくて予冷をすることにしました。

 すると、冷凍室は寒剤を取り除いた後、順調に氷点下5℃くらいをキープできるようになりました。その後、秋から冬となり、外気の温度も、部屋の温度もぐっとさがってくるにつれ、冷凍庫はもっと冷えるようになりました。下の写真は、冷凍室の電源・制御装置です。デジタル温度計の表示は、氷点下10.1℃となっています。もっともこれは、大阪でこの冬一番の冷え込み(氷点下でした)のときの温度で、部屋の温度が15℃くらいのときは、氷点下5℃から氷点下8℃くらいです。

さらなる難問が待ち構える!

 順風満帆というわけにはいきません。冷蔵、冷凍には、着霜、着氷、凍結がさけられないのです。空気中の水蒸気が冷却装置に霜となって付着し、凍結し、ペルチェ素子の吸熱をさまたげ、その結果、冷却効率は格段におちて、冷凍室の温度は氷点下を上回り、しだいに室温にちかづいていきます。このため、冷蔵庫のメーカーは、霜取りにいろいろ工夫や苦労をしているようです。冷却装置に送り込む空気をつねに乾燥させたり、なかには冷却装置に不凍液をつねに循環させるという方法もあるようです。冷却装置が凍結したかどうかを見極める方法も種種あるようです。この難問は、まだ解決していません。とりあえず、デジタル温度計をみながら、冷凍室の温度が氷点下3℃を上回ったら、冷却装置に霜がついているのではないかと疑ってかかって、冷却装置を目視して確認し、着霜もしくは凍結していたら、電源・制御装置の極性反転スイッチをいれて、ペルチェ素子に流す電流の+−を逆にし、冷却装置の吸熱側を加熱して、ヒートシンクについた氷を融かし、温度計の表示が氷点下を上回ったら、電流をもとにもどしています。この見極めと加熱時間が微妙で、加熱しすぎると冷却装置ばかりか冷凍室の筐体の温度も上昇し、再冷却にかなり時間がかかります。このへんの制御をPICでなんとかできないか、研究の最中です。単純な温度の制御だけならいいのですが、実際に凍結しているのかどうかのみきわめ、霜取りが完全におわったかどうかのみきわめが、意外とむずかしいのです。霜がついたら光が散乱するとか、霜がついた部分の熱伝導がわるくなって温度が微妙にあがるとか、そうしたことはわかってきているのですが……。今後の展開を期待してください。

写真は、凍結した冷蔵室の冷却装置。手前は卵容器です。

 2003年2月11日、ホームページ作成のためにペルチェ冷却装置のヒートシンクとファンにこびりついた台所の油よごれの清掃をかねて冷却装置を冷蔵庫からとりはずし、マジックリンでよごれをとってから清拭してデジカメで写真をとりました。冷却装置をふたたび冷蔵庫にとりつけようとして結線しているとき、AC100Vの12cmファンのコネクタが水でぬれていて、まだ乾いていなかったため、感電してしまいまいました。上の写真の冷蔵室の冷却装置のほうは、それ以来凍結しなくなったので不思議におもい、電源からの配線を点検していると、ペルチェ素子につながるコネクタが接触不良で発熱していました。冷凍室のほうは、氷点下4℃〜氷点下3℃となっていて、冷却能力がすこしおちています。こちらのほうも原因究明中です。

発想の転換が大事ですね!

 ここで、上記写真の冷蔵室のほうの冷却装置がどうなっているのか、まだ紹介していなかったので、こちらのほうも図を作成しましたので公開します。

 冷蔵室のほうの断熱材の厚さは40mmでしたので、壁の厚さだけのアルミのスペーサをつくることにしました。ところが、これがたいへんだったのです。40mmの厚さのアルミの部材なんて、どこに売っているのでしょうか? いろいろさがしたのですが、みつかりませんでした。銅ならなおさらです。熱伝導からいうと、銅がいいのですが、冷蔵室に保存する食品の包装に記載されている保存温度をしらべてみると、ほとんどが「10℃以下で保存」という表示だったので、ここはアルミでよしとなったしだいです。アルミの厚い部材がみつからないのなら、薄いアルミを重ね合わせてつかえば大丈夫だろうと、5‡oのアルミ板を40‡o角に切断して、それを8枚、シリコングリスを塗って重ねあわせてみました。これで試しに冷却してみると、ぜんぜん冷えませんでした。アルミ板を鏡面のようにつるつるに加工し、密着させないとだめなようです。わたしにはそんな加工技術はありませんので、一工夫しました。それは、アルミ板の長手方向に熱を移動させればいいということでした。これなら、熱を板厚の方向に無理に移動させる必要がありません。また、40‡oどころか、100mmの厚さのスペーサも簡単につくれてしまいます。さっそくつくりました。まず、さきほどの40‡o角のアルミ板8枚をエポキシ接着剤ではりあわせ、バイスでしめて、さいころのようにしました。そして、アルミ板の切断面をやすりをつかって平面にならし、つぎは目の細かい砥石で表面をつるつるに仕上げていきました。そうしてできあがったアルミのスペーサをつかった冷却装置を冷蔵室にとりつけると、今度は大成功! 秋口で室温はまだ25〜26℃あったのですが、冷蔵室の庫内温度は見事10℃を切りました。冷蔵室のほうが冷凍室よりも容量が大きく、しかも扉の開け閉めの回数が多いことを考えると、これは大成功でした。しかし、そのことが逆に室内の水蒸気を庫内にひきよせ、冬場になると冷却装置の凍結に悩まされることになるのですが、冷蔵室のばあいは凍結しても庫内温度上昇が食品の保存温度以内におさまってくれているので、いまは気にしないでいます。下図は、冷蔵室のアルミのスペーサです。熱はアルミ板からアルミ板へではなく、8枚のアルミ板それぞれの内部を移動していきます。

タイマーを一時的にとりつけました 

 ペルチェ冷蔵庫の凍結をPICを応用してどうやって防ぐのか、PICをつかった制御の勉強には時間がかかるので、冷蔵庫に一時的にタイマーを取り付けました。ニッソーのウィークリータイマーというもので、毎週きまった曜日と時間に電源のON/OFFさせるとか、1日に一定の時間間隔を設定してON/OFF動作を7回プログラムできるものです。ホームセンターで売っていたもので、電器売り場ではなく、ペット関連商品売り場においていました。ペット関連商品売り場には、爬虫類用のデジタル温度計もおいてあって、これが室内、水中用の2つのセンサー、メモリもついて1000円でおつりがくるというすぐれものだったので、これも1つ買いました。

 このタイマーをつかって、気温の高い昼間は冷蔵庫の運転時間を長くし、夜間は短くしました。ほんとうにこれは、一時しのぎです。冷却器が凍結するまでの時間の引き延ばしにしかなっていませんが、手動で霜取りする回数はすこし減ったわけで、気分的には楽になりました。それと、夜間に冷蔵庫の運転を中断する時間ができたので、就寝中の耳障りなファンの騒音がすこしは減りました。2月21日現在、冷凍室のほうの温度は、マイナス5℃をキープしております。

 ホームページの作成が一段落したので、本来の目的であるPICをつかったペルチェ冷蔵庫の自動制御にふたたび着手しました。とりあえず、温度センサ(サーミスタ)や結露センサを買ってきましたが、温度センサのほうは、直線化(リニアライズ)しないといけないようです。回路としては簡単にみえますが、小学生のときから理科は得意でも算数や数学が苦手だったわたしにとっては、リニアライズ抵抗をもとめる計算がむずかしそうです。つぎは、センサをつかった温度制御に取り組んでみたいとおもいます(2月24日)。

ペルチェ冷蔵庫(続編)

注意! このホームページに掲載されている情報をもとにペルチェ冷蔵庫に改造したり自作されたりする場合は、やけどやけが、感電、火災など保安・防災に十分配慮し、対策をほどこした上で、自己責任でやってください。必要な対策とは、過熱・火災防止用の電源遮断装置、感電防止用の漏電ブレーカなど、かぎりなくあります。FENG3は、このホームページ上の情報をもとに改造・自作することを奨励するものではありません。また、改造・自作、あるいは商品化された結果生じた損害について補償するものではありません。(ペルチェ素子は比較的大きな電流を消費し、冷却もすれば同時に発熱もします。FENG3は、試験的にペルチェ素子に流す電流の極性反転スイッチをいれてペルチェ冷蔵庫を1日間放置し、その後冷凍庫内の棚の温度を測ったところ、35℃にまで上昇していました。ペルチェの冷却装置は、手で触れないほど高温になっていました。また、冷蔵庫は水がつきものです。5V、12Vの低電圧でも感電したり、漏電したりすると火災になったり、大電流だと人命を奪うことすらあります。

2003年2月11日