簡易ROMイレーサ


 窓付きのPIC(JWタイプのパッケージ)を紫外線消去するために、こしらえました。窓付きPICは、FENG3はそうたびたびつかうものではないので、タイマーつきの本格的なROMイレーサをわざわざ買っても宝の持ち腐れになってしまうおそれがあります。かわりに、他の紫外線を放射するものをさがしましたが、アーク溶接は、強力な紫外線を発しますが、PICを消去したいときに近所で溶接をやっているところをさがすのは、至難のわざです。それに、PICをもってアーク光にかざすとき、肌を覆い、遮光面で顔をかくさないと、紫外眼炎になったり、皮膚がぼろぼろにめくれたりと、ひどいことになってしまいます。水銀灯や誘蛾灯などは、蛾やクワガタが好む紫外線をだしますが、夜中にはしごでのぼっていって、PICを電球にかざすところを近所の人にみられたら、「変人」あつかいされそうです。天然の紫外線を利用しようとしても、時間がかかるし、天候に左右されます。さらに、猫がめずらしいおもちゃをみつけたと、よろこんで横取りするかもしれません。紫外線で庫内を殺菌している冷蔵庫というのもありましたが、家の冷蔵庫をあけてみても、ペルチェ冷却装置があるだけ(改造する前は、普通の庫内照明用の電球がついていました)です。

 ということで、以前、買った携帯用の懐中電灯に蛍光灯がついていたのをおもいだしました。これなら、かんたんにROMイレーサができそうです。

ホームセンターで買った、「蛍光灯つきレジャーライト」です。単3形アルカリ乾電池4個で、蛍光灯なら約5時間の使用が可能です。メーカーは、OHM ELECTRICで、型番はLL−903Mというものです。値段は、たしか880円だったとおもいます。これに、ホームセンターで買った、TOSHIBAの4Wの殺菌ランプをとりつけました。型番は、GL4−Aです。1本1280円でした。なお、透明のカバーははずしておきます。そうしないと、紫外線がカバーに吸収されてしまいます。
 適当な紙の包装容器を展開します。FENG3がつかったのは、「玄人志向」のUSBカードが入っていた紙箱です。内外を入れ替え、印刷していない側を表にもってきて、黒い色をぬりました(そうしないと、資源ごみの回収日に、空き箱とまちがえて、すてられてしまうかもしれませんので)。紙箱のふたの部分に、蛍光灯の部分が入るだけの穴をあけました。内側には、料理用のアルミホイルをはりつけました。
 紙箱の「ふた」にあけた穴に、携帯用蛍光灯をさしこめば、できあがりです。製作費は2100円ほど、製作時間は30分でした。できあがってみれば、あまりにもかんたんで、あえて紹介するほどのことはないのかもしれませんね。紫外線ランプにつけかえた携帯用蛍光灯を、紙箱にくっつけただけです。数十個のPIC12C509Aをいちどに消去できるだけのスペースがあります。
 料理用のタイマーを拝借して10分にセットし、PIC12C509Aを中にいれて蛍光灯のスイッチをいれました。10分後、書きこみソフトで確認すると、うまく消去できていました。1分きざみで、消去に要する最低の時間をあらかじめ測っておいたほうがよかったかもしれません。なお、左の写真は、簡易ROMイレーサの内部ではありません。紫外線は有害なので、消去後、PICをイレーサの外にだして撮影したものです。

2003年5月15日