ライターチェッカー( Writer Checker )

JDMプログラマやPICライタ5号機、RCDライタなどのシリアルポート接続PICライターの動作チェック用のソフトです。

自作したシリアルポート接続PICライタがうまく動かない場合、原因がどこにあるのか、ハードウェアなのか、ソフトの操作方法なのか、ケーブルなのか、それをさぐるための小道具です。


バージョン2.0.0

WriterChecker Version 2.0.0 のダウンロード(2011年10月24日、ZIPファイル、24.1KB)
シリアルポート接続のJDMプログラマやPICライタ5号機、RCDライタなどの動作チェック用のソフトです。

動作環境: .NET Framework 2.0 がインストールされている Windows パソコン

Windows 7     .NET Framework は標準で OS に含まれています。
Windows Vista   .NET Framework は標準で OS に含まれています。
Windows XP     .NET Framework 2.0 以上が必要です。
Windows 2000   SP3以上、.NET Framework 2.0が必要です。
Windows 98 SE  .NET Framework 2.0が必要です。
Windows Me     .NET Framework 2.0が必要です。

動作確認は Windows7/XP でおこないました。

使用方法:

ダウンロードしたファイルを適当なフォルダに解凍してください。アンインストールする場合は、フォルダごと削除してください。

プログラムを起動すると、お使いのパソコンのシリアルポートを自動的に探し、有効なシリアルポートが見つかれば、シリアルポート名(以下ポート名)をコンボボックスで選択できるように一覧表示します。

このコンボボックスに一覧表示されるポート名は、デバイス マネージャ の「ポート ( COM と LPT )」 とほぼ同じですが、それ以外に、モデムなどのポート名を割り当てられたデバイスのポート名も含まれることがあります。
注: このポート名はシステムのレジストリから取得しているため、レジストリ内の情報が古かったり誤っていたりすると、ポート名が正しく表示されないことがあります。

リストボックスには、ポート名が説明付きで一覧表示されます。

コンボボックスの有効なポートから、使用したいポート名を選択します。JDM / RCD ライタ で使用できるのは、COM1~COM4 の範囲内にあるポートで、標準の RS232 シリアルポート だけです。COM1~COM4 であっても、赤外線通信ポート や 内蔵モデム、USBシリアルポート や Bluetoothシリアルポート などに割り当てられていることがありますので、注意が必要です。

ポートを選択したら、「プログラマの制御」で JDM / RCD ライタ の信号や高電圧の入出力を制御することが可能になります(旧バージョンの説明を参照してください)。

注意

JDM / RCD ライタ のVddの電位は、それが接続されているパソコンのGNDの電位です たとえば、誤って JDM / RCD ライタ やターゲットの GND/Vss をパソコンのGNDに接続したり、パソコンオシロのプローブやGNDの接続方法を間違えたりすると、パソコンの電源が落ちたり、シリアルポートが故障するなどの障害が起きることがあるかもしれませんので、ご注意ください。

著作権と免責事項:

このソフトウェアはフリーウェアとして提供されますが、使用にあたっては下記に同意する必要があります。
このソフトウェアの著作権は、法律で保護されています。このソフトウェアの使用、配布、複製は著作権者の許可なく無料でおこなえますが、商行為には著作権者の許可なく利用できません。
このソフトウェアにはバグがあるかもしれませんし、著作権者はこのソフトウェアがあなたの期待通りに動作することを保証するものではありません。このソフトウェアは無保証であり、このソフトウェアの使用により生じた直接間接の損害にたいし、著作権者は責任を負いませんし、補償もしません。あくまで自己責任において使用してください。

2011年10月24日更新


旧バージョン

WriterCheckerのダウンロード(2005年11月2日、LZHファイル、22.5KB)
シリアルポート接続のJDMプログラマやPICライタ5号機、RCDライタなどの動作チェック用のソフトです(バグがありましたので、バージョン0.2で修正しました)。

動作環境:WindowsXP/Me/2000/98/95/NT(4.0以上)。Windows2000/98SEで動作確認しました。

「MSCOREE.DLL が見つかりません」あるいは「xxx.DLL が見つかりません」というメッセージが表示される場合は、「Windows Update」を実行して「Microsoft .NET Framework」をインストールしてください(こういうイメージです)。

さらにエラーが表示されるときは:

さらにエラーメッセージが表示される場合は、「Windows Management Instrumentation (WMI)」のコアが必要です(Windows2000、WindowsXP、WindowsMeにはインストール済みです)。Windows2000以前の、Windows98、WindowsNT(4.0以降のバージョン)では、マイクロソフトのサイトから「WMI コア ソフトウェア インストール パッケージ」を入手してください。 Windows95では、「DCOM for Windows 95 Version 1.3」をインストールしてください。

それでもエラーが表示される場合は、ソフトウェアにバグがあるのかもしれません。

なお、このソフトウェアは無保証です。このソフトウェアは現状のままで提供されるもので、作者はいかなるたぐいの保証もいたしませんし、作者は、このソフトウェアの使用による損害、使用できないことによる損害、バグの修正等いかなる責任も負いません。

使い方

 適当なフォルダにダウンロードしたファイルを解凍します。以下は、ライターチェックソフトの実際の使い方を説明しています。

ポートチェック お使いのパソコンで有効なシリアルポートを最大16個まで検出します。同時に、シリアルポートに接続されているアナログモデムの有無や、USBデバイスの検出も実行します。検出されれば、有効なCOMポート欄のCOMポート番号にチェックが入ります。USBデバイスでUSBシリアルコンバータが検出されれば、それの使用するCOMポート番号を表示します。モデムの検出はATコマンドの送出でおこなっていますので、モデムの機種によっては検出されないものがあるかもしれませんし、ATコマンドに反応する機器がほかにあるとすれば、それらもモデムとして表示されるかもしれません。有効なCOMポート欄のCOMポート番号に1つもチェックが入らない場合は、BIOSの設定でお使いのパソコンに実装されているシリアルポートを有効にしてみてください。パソコン内蔵モデムにしかシリアルポートが割り当てられていない場合もお使いのパソコンに実装されているがBIOSの設定で無効となっている残りのシリアルポートを有効にしてみてください(通常はCOM1とCOM2が利用可能です)。

ライタチェック JDMプログラマやRCDライタなど、JDMタイプのインターフェースをもつシリアルポート接続PICライタが接続されているポート番号を検出します。2つ以上のポートにそれぞれPICライタが接続されている場合は、最後に検出されたポート番号が表示されます(モデムをのぞく通信機器がシリアルポートに接続されている場合もPICライタとして検出・表示されることがあるかもしれません)。
 シリアルポートにPICライタを接続しているのにPICライタが検出されない場合は、以下の解決方法をためしてみてください。

 PICライタを接続しているシリアルポートがパソコンのBIOSで利用できるようになっているか、確認します。無効になっていたら、利用できるように設定します。ライタやケーブルをパソコンからはずした状態で、パソコンのシリアルポートのDTR(4番ピン)とCTS(8番ピン)をショートさせます。そして、ライタチェックを実行します。JDM(RCD)プログラマが検出されたら、そのシリアルポートはライタに使用できます。

 PICライタをシリアルポート以外のコネクタに接続していないか、確認します。市販パソコンで使用されているシリアルポートのコネクタ形状は、通常はDサブ9ピンのオスです。JDMプログラマの作者のホームページに掲載されている写真の「PIC-Programmer 2 for PIC16C84 etc」はDサブ25ピンのコネクタを使用していますが、通常のパソコンについているDサブ25ピンのコネクタはパラレルポートのコネクタです。Dサブ25ピンのコネクタでJDMプログラマを自作された場合、ライタとパソコンとの接続にはDサブ9ピン⇔Dサブ25ピンのシリアルケーブルを使用するか、Dサブ9ピン⇔Dサブ25ピン変換アダプタを使用します。

 シリアルケーブルがストレートケーブルでなければ、ストレートケーブル(拡張ケーブル)に取り替えます。そして、ケーブルのみをパソコンのシリアルポートに接続します。ケーブルのライタがわのコネクタのDTR(4番ピン)とCTS(8番ピン)をショートさせます。そして、ライタチェックを実行します。JDM(RCD)プログラマが検出されたら、そのケーブルはいまのところ問題ありません。「いまのところ」というわけは、ケーブルの長さやシールド、インピーダンスの相違などによって、実際にPICに書き込むときにそれらがエラーの原因になることがあるからです。

 PICライタをシリアルケーブルにつないでパソコンと接続します。再度ライタチェックを実行して、ライタが検出されなければ、おそらくライタの側に問題があるのでしょう。極性のある部品の取り付け方向はまちがっていないか、はんだ付け不良はないか、など、回路図にしたがってライタを点検してみてください。

ハードウェアチェック JDM(RCD)プログラマは検出されるが、PICにうまくプログラム書き込みができないときに実行します。各端子とVss端子の間の電圧を計測して、ライタが正常に動作しているか、チェックします。電圧が規定の範囲外にあれば、ライタに不良があるか、パソコンのシリアルポートの電圧・電流不足が原因として考えられます。

 Vppのボタンをクリックすると、Vppがオンになります。Vppの電圧は、12.5V~13.5Vの範囲内にあればOKですが、デバイスによっては10V~12Vでもプログラム書き込み可能なものもあります。

 Vddは、ソフトで直接制御できません。JDMプログラマでは常にオンです。PICライタ5号機では、VppがオンになったときにVddがオンになります(ソフトのLEDは常に点灯)。PICライタ5号機改では、SW2を「Vdd First」にしたときにVddが常にオン、SW2を「Vpp First」にしたときは、VppがオンになったときにVddもオンになります。RCDライタでは、Vppまたはデータ出力、クロックがオンになったときにVddがオンになります。Vddの電圧は、5V±10%の範囲内にあればOKです。

 データ出力のボタンをクリックすると、DATAがオンになります。DATAの電圧は、Vddの電圧の最低80%あればOKです。

 クロックのボタンをクリックすると、CLOCKがオンになります。CLOCKの電圧は、Vddの電圧の最低80%あればOKです。

RS-232-CRecommended Standard-232 revision C
もともとはテレタイプの端末接続用インターフェースでしたが、アメリカの業界団体がRS-232として規格化し、その後「C」や「D」、「E」などと6回も改訂されて、現在は規格上の正式な名称は「ANSI/TIA/EIA-232-F-1997」なのだそうです。しかし、「RS-232C」とひろくよばれています。コネクタの規格は、Dサブ25ピンと小型の26ピンで、かつて日本の「国民機」ともよばれて日本のパソコン市場を独占してきたNECの旧PC98のシリアルポートのコネクタもDサブ25ピンでした。しかし、IMBのパソコンPC/ATが採用したDサブ9ピンのコネクタが、低価格なIBM互換機パソコンの普及とともに、現在のパソコンの世界では事実上の標準になっています。そのため、業界団体もDサブ9ピンのコネクタを「ANSI/TIA/EIA-574-90」という呼称で規格にとりいれています。しかしこれらのRS-232の電気的特性は、TTLが登場する以前の通信機器にあわせてありますので、論理0の出力が+5V~+15Vの範囲内、論理1の出力が-5V~-15V範囲内と高電圧になっています。パソコンが±12Vと±5Vの電源で動くときはそれでよかったのですが、ノートパソコンが登場し、低消費電力をはかるために3.3Vの低電圧駆動が主流となってからは、パソコン内蔵のRS-232レベル変換ICも単電源、低電圧動作タイプのものが主流になってきました。また、規格上もRS-232の上位互換として「EIA/TIA-562」が登場しました。これは、論理0の出力が+3.7V~+13.2Vの範囲内、論理1の出力が-3.7V~-13.2Vの範囲内となっていて、最低±5Vの出力があればRS-232との互換性がたもたれるようになっています。このため、ノートパソコンではJDMプログラマなどシリアルポートから電源をとるPICライタが10V程度の高電圧しか生み出せず、PICにプログラム書き込みができない原因になっています。そしてさいきんのノートパソコンでは、RS-232のシリアルポートもプリンタ用のパラレルポートもたず、USBポートとLANポートだけ、という機種が大半をしめています。JDMプログラマのインターフェースをもつシリアルポート接続PICライタは、USBシリアル変換アダプタ(ケーブル)を介して動かすことは、電圧や電流不足、フロー制御の問題などから非常に困難です。

2005年11月3日更新

2005年1月22日作成